Wineのインストール・設定方法の記録

『LinuxではWindows用のソフトは動かない』なんて、そんなことはありません。
Wineを使えばWindows用に組まれたプログラムをLinux上でも動かすことができます。
もちろん完璧にとはいきませんが、きちんと設定すればWindows向けのソフトウェアのほとんどを動作させることができるようになるでしょう。

Wineとは?
以下Wikipediaより引用。

Wine (ワイン)は、オープンソースの Windows API 実装を通じて、主としてx86アーキテクチャ上のUnix系オペレーティングシステム (OS) においてWindows用アプリケーションをネイティブ動作させることを目標とするプログラム群である。

要するにWindowsがなくてもWindowsのソフトを動かせるすごいプログラムだということです。
というわけで、Wineを始めてみましょう。



前提
・Linux Mint 17.1 64bitで作業しています。
・最初、Wineはインストールされていない状態です。

インストール方法
ここではリポジトリに最初からあるWine1.6をインストールします。
最新安定版はWine1.8なのですが、Wineはバージョンを上げると前まで動いていたソフトが動かなくなるということが度々発生するので、Web上に情報も豊富であろうWine1.6をインストールしましょう。
端末から以下を実行します。
sudo apt-get install wine
これでリポジトリからWine1.6がインストールされます。

32bit版と64bit版の違いに関して
64bit版のLinuxを使っている場合、ここで64bit版のWineがインストールされます。
ですが64bit版のWineではWinetricksから.NET Frameworkをインストールすることができなかったり、32bit版では動くソフトが動かなかったりします。
これを回避するために、Wineを起動する前に以下のコマンドを打ち込んでください。
export WINEARCH=win32 winecfg
既にWineを起動してしまっているなら、
rm -r ~/.wine
などで.wineディレクトリを削除しておいてください。

新しいバージョンのWineをインストールしたい場合
Microsoft Office 2013などを使いたい方はなるべく新しいWineをインストールするべきです。
安定版のWineまでならば、wineのリポジトリを使ってインストールできます。
sudo add-apt-repository ppa:ubuntu-wine/ppa
sudo apt-get update
sudo apt-get install wine1.8

開発版のWineは自分でビルドする必要があります。
ソースコードをWINEHQから持ってきて必要なライブラリをインストールしてください。
sudo apt-get build-dep wine
ソースコードを解凍して以下のコマンドでWineをビルド&インストールします(64bit版がビルドされます)。
./configure --enable-win64
make
sudo make install

設定方法
まずwinecfgを起動します。
すると、
Wine_019.png
のような画面が出てくるので待ちます。
geckoやmonoがどうのと出てくる場合には、それらをインストールします。
sudo apt-get install wine-gecko2.40 wine-mono4.5.6
これでダメならば警告ウインドウからインストールしてください。
設定が完了するとwinecfgのウインドウが出てきますので、以下の項目を確認してみてください。
・[アプリケーション]タブの"Windows バージョン"が極端に古いものになっていないか。
・[オーディオ]タブの"音をテスト"をクリックして、音が鳴るか(鳴らない場合はデバイスを変えてテストしてみる)。
・[画面]タブの"仮想デスクトップをエミュレートする"にチェックを入れると、ソフトが仮想デスクトップ上で動きます。これはお好みで。
確認が終わったら、winecfgを閉じておきます。

必要なライブラリなどをインストールする
もちろん初期状態のWineで、動かしたいWindowsのソフトが完璧に動けばそれにこしたことは無いのですが、実際にはなかなかそうもいきません。
ですから、Winetricksを使って必要なライブラリやフォントなどをインストールします。
Winetricksは.NETやDirectXなどのインストールを簡単にしてくれるツールで、これを使えばわざわざMicrosoftのサイトからライブラリなどを探してきてインストール、設定……といった手間を省くことができます。
Winetricksはapt-getでインストールするのではなく、なるべく新しいものを使った方がいいです。
以下のコマンドで最新版Winetricksをホームにインストールしましょう。
cd ~
wget https://raw.githubusercontent.com/Winetricks/winetricks/master/src/winetricks
chmod +x winetricks
次のコマンドを打ち込んでWinetricksを実行していきます。
sh winetricks インストールしたいライブラリなど
推奨はしませんが、一応リポジトリからインストールすることも可能です。
上記の手順でインストールしたWinetricksを起動できない時のみこちらを利用してください。
sudo apt-get install winetricks

ゲームをしたい場合
とりあえずWindows向けマルチメディア・ゲーム用API集のDirectXを入れます。
sh winetrick d3dx9
エラーメッセージが出なければ成功です。
多少のエラーが出ても、上手くインストールできてるっぽいなら気にしないでもいいです。
以下はゲームに必要そうなものです。特に重要そうなものには星がついていますので、必要に応じて取捨選択してください。
sh winetricks インストールしたいライブラリなどでインストールします。
ただし、一気に沢山インストールしようとすると失敗しやすいので、少しずつインストールしてください。

allfonts #フォントです。日本語の文字化けを解消します。☆
d3dx10 d3dx11_43 #DirectXの新しいバージョンです。最新のゲームでは必要かもしれません。☆
devenum #マルチメディア関連のDLLです。
dinput #マウスやゲームコントローラーの入力を扱うDirectXソフトウェアです。
dirac #DirectShowのフィルターです。
directmusic #DirectMusic Producerで作られた音楽を再生します。RPGツクール製ゲームの多くで必要です。☆
directplay #ネットワーク関連のDirectXソフトウェアです。
dsound #オーディオ関連のDirectXソフトウェアです。☆
dxdiag #DirectX診断ツールです。
ffdshow #DirectShowフィルターとコーデックです。
quartz #マルチメディア関連のDirectXソフトウェアであるDirectShowのDLLです。☆
vcrun6 vcrun2003 vcrun2005 vcrun2008 vcrun2010 vcrun2012 vcrun2013 vcrun2015 #Visual C++のライブラリです。必要なものだけインストールしてください。
wmp9 wmp10 #Windows Media Playerです。ゲーム内の動画再生に必要なことがあります。


ゲーム関連情報(主にRPGツクール製ゲームに関して)
RPGツクール作品を遊びたい場合には、RTPをファミ通さんのサイトからダウンロードして普通にWineでインストールします。
RPGツクール作品やウディタ作品などで音が鳴らない場合は、試験運用中なLinux備忘録さんのMicrosoft SynthesizerとDLS音源を参考にしてgm.dlsを配置し、DirectMusicをインストールしてください(sh winetricks gmdls directmusicでもOKです)。
それでもRPGツクールXP/VX作品で音が鳴らない場合は、dsdmoをインストールしてください(sh winetricks dsdmo)。
RPGツクール2000作品などの、OS上のMIDIデバイスを用いるソフトで音が鳴らない場合はソフトウェアシンセサイザを起動しておく必要があります。Wine上のMIDIマッパーについてを参考にしてください。ちなみに私はTiMidityで上手くいかなかったので、Qsynthを使いました。
RPGツクール2000作品で文字が読みにくいという現象が発生した場合は、フォント設定でアンチエイリアスを"RGBA"から"グレースケール"に変更してください。
ウディタ作品で文字がおかしくなった場合は、Config.exeでグラフィック表示モードを"ソフトウェアモード"に変更してください。
その他国内製のソフトに関しては、試験運用中なLinux備忘録さんが参考になります。
また、海外の有名3Dゲームを遊びたい場合はPlayOnLinuxでインストールするのが便利です。
sudo apt-get install playonlinux

.NETを使うソフトを動かしたい場合
dotnetをインストールすれば、Wineで動かせるWindowsソフトウェアが格段に増えます。

allfonts #フォントです。日本語の文字化けを解消します。☆
dotnet20 dotnet30 dotnet35 dotnet40 dotnet45 #.NET Frameworkです。必要なバージョンを選んでインストールしてください。Wineが自動でそのバージョンのdotnetに必要なものをインストールしてくれます。☆
ie6 ie7 ie8 #Internet Explorerです。時々必要になります。
msxml3 msxml4 msxml6 #XML関連のライブラリです。
mfc40 mfc42 #Visual C++ライブラリの一部です。
gdiplus #Windowsのグラフィックサブシステムです。2Dグラフィックの描画やプリンタへの転送などに使われます。☆
vcrun6 vcrun2003 vcrun2005 vcrun2008 vcrun2010 vcrun2012 vcrun2013 vcrun2015 #Visual C++のライブラリです。必要なものだけインストールしてください。
wsh56js wsh56vb wsh57 #Windows Script Hostです。Windowsにおけるスクリプトの実行環境です。


その他入れておくべきかもしれないもの
何が必要なのか良く分からなかったら、手当たり次第インストールしてみるのも有効かもしれません。
ただし不具合が出やすくなるので、できることならインストールするソフトは最低限にとどめてください。
一部インストールに失敗するものもあるかもしれませんが、特に気にしなくてもいいです。

adobeair allcodecs amstream art2kmin atmlib avifil32 binkw32 cabinet
cmd comctl32 comctl32ocx comdlg32ocx crypt32 d3drm
dbghelp dotnet11 dotnet11sp1 d3dxof dinput8 dotnet_verifier
dpvoice esent flash gfw glidewrapper glut hid icodecs jet40 l3codecx
mdac28 msacm32 msasn1 msctf msdxmocx msflxgrd
msftedit mshflxgd msmask mspatcha msscript nuget ogg
physx pngfilt qdvd quicktime72 quicktime76
riched20 riched30 richtx32 sdl secur32 setupapi shockwave
tabctl32 updspapi usp10 vb2run vb3run vb4run vb5run vb6run vjrun20
windowscodecs winhttp wininet wmi xmllite xna31 xna40 xvid

きちんとインストールできているかどうか確認するには、もう一度sh winetricks インストールしたいライブラリなどを実行します。
インストールできていれば、already installed, skippingなどと表示されるでしょう。

問題が発生した場合
そのソフトの作者さんのサイトを見て、必要そうなものをすべてインストールしてみてください。
~/.wineを消して最初からやり直すのも効果的です。
あるいはPlayOnLinuxなどの補助ツールを使ってみてください。
それとエラーを注意深く読んでください。
たとえば、dsdmoのインストールがうまくいかなかった場合、
err:module:import_dll Library msdmo.dll (which is needed by L"C:\\windows\\system32\\dsdmo.dll") not found
というエラーの記述から、オリジナルのmsdmo.dllを~/.wine/drive_c/windowsに配置するなど。
ただし、あまり調べすぎるのも精神衛生上良くないので、どうしても上手くいかないなら諦めましょう。

動作報告
私の環境での大雑把なWine動作テスト報告です。
ただし、ちょっと触っただけなので信憑性はあまり高くありません。

Elona1.22 #フリーゲーム。ほぼ完璧に動作。音楽、グラフィック、挙動に問題なし。allfonts,directmusic,gmdls,dinputをインストールすれば正常に動くようになります。
ふしぎの城のヘレン #RPGツクール2000作品。ほぼ完璧に動作。音楽、グラフィック、挙動に問題なし。allfonts必須で、Qsynthを起動したままにして、フォントのアンチエイリアスをグレースケールにしておく必要あり。
片道勇者 #WOLF RPGエディター作品。ほぼ完璧に動作。音楽、グラフィック、挙動に問題なし。初期状態のWineでも動きます。
Domino143 #音楽編集ソフト。ほぼ完璧に動作。音出し、midi書き出しに成功。挙動も特に問題なし。
WOLF RPGエディター 2.10 #ゲーム制作ツール。挙動に若干難あり。イベントコマンド入力で文字が入りきらない現象が発生。色がおかしくなる場合はgdiplusを入れれば解決します。
天使のうつわ #RPGツクールVX作品。時折文字が切れて読みづらくなることを除けば問題なし。


参考
WineHQ
憩いの場-Wine設定メモ
試験運用中なLinux備忘録
LinuxでWindowsアプリケーションを動かしたい人のためのWineの設定

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